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悪魔くん・その他いろいろと語る場所
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 映画メモ
「ホステル2」一作目より猟奇シーンが少なかったです。「ファイナル・デスティネーション」「SAW」
みたいにばんばん続編でるのかな。ラストは一作目同様アメリカらしい感じ。一作目ラストの暗い爽快感がなかったことにされるのでちょっと憂鬱になるかもです。

「王の男」タイトルと中身、あまり合ってないかも。予想と全然違ってました。ラストは切ないけどあれはあれで良い余韻のあるハッピーエンドなのかな……予備知識なしにみてしまったけど、この王様のことをちょっとだけ知っておくと良かったんだなと見終わった後に気づいた!

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 そういえば今月は29日まであったので記念にメモ
 悪魔くんは正義感の強い優しい良い子だから妄想してると癒される……! 前も言ったような気がするし全然関係ないかもですが、昔やってた海外ドラマの「ボーイミーツワールド」が好きで、これもDVDにならないかなと期待。主人公の男の子コーリーが可愛いすぎる。真吾くんとはちょっとタイプが違う少年だけど、コーリーも好きというより真吾くんが穏やか過ぎるのかも。
 真吾くんは基本的な性格は今のまま大きくなってほしいな。大人になった姿も見てみたいけど、ずっと可愛い男の子のままでいてほしいような気もする……! 大人びてきたけど、でもまだあどけなさが残る少年、そんな感じに萌ゆるまた妄想大発信しちゃった……。

 最近はなんかややこしい展開になってきたせいか書くのにすごい時間かかってしまうので、まず行き当たりばったりをちょっと改善しようと思います! だめだったら何事もなかったかように何事もなく真吾くんに萌えてます。

 こっそり白状すると、実は結構行き当たりばったりです……
 6話を書いてた時点では、
・逆五芒星の男を追い詰めるけど取り逃がす
・悪魔くんとしての理想と、自分の望みのギャップに悩んだり
・事件が起きて十二使徒といっしょに冒険
・忘れた頃に館の悪魔が無理難題
 くらいしか考えてなかったです。
 細かいことはそのときになってから考えるという行き当たりばったりが多かったり……ヴァルプルギスならヴァルプルギスまでで、ひとつの区切りまでしか考えてない計画性のない人です
 でもなんというか風の吹くまま気の向くまま物事とか物語とか萌えとか燃えは常に変動するというか、その時々で妄想もあれこれ飛んだり跳ねたりキャラも動いたりするわけだし……! つまりなにが言いたいのかというと、いまから館の悪魔について激しく妄想する!

 ヴァルプルギスの夜の続き更新しました!
 日付変わっちゃったから素直に28日にしよう……27日中は間に合わなかった。
 真吾くんの狙いはもうバレバレかもですが、やっとヴァルプルギスの夜も終わりかけてきました。
 あああ真吾くんの内面の葛藤とか、幼い、小さい男の子時代の終わりとか! 想像するともう、どうしたらいいのかわからないくらい萌えるんだか燃えるんだかとにかく可愛い! がんばれ男の子! というよりまずわたしがしっかりするんだ……興奮しすぎ
 小さい男の子時代から脱しつつある真吾くん……
 ちょっと男の子っぽくなったりして……ああああああありえないほど妄想が暴走しまくって可愛い……! ちょっとずつ逞しくなって成長してお兄さんっぽくなって思春期、少年時代に向かっていく真吾くんとかいいな!

 モスで期間限定スパイシーホットチリチーズバーガーをはじめて頼んでみた。モス食べたの久々かも。
 妄想がかたまり次第、悪魔くんの続き更新したいです

 妄想の続き
 メフィスト2世が外見年齢そのままの子供っぽい言動をしているときは、逆に真吾くんがお兄さんみたいになってるとかもいいなでも百目ちゃんはどんな場面でも弟分だろうな、どこまでも真吾くんの後をついていく感じで。メシアというよりも大好きなお兄ちゃんを追いかけてるみたいで百目ちゃん可愛すぎる……。親友でもあるし仲のいい兄弟みたいな感じで癒されちゃいます! そしてお兄さん的なメフィスト2世も捨てがたい……。ほかの十二使徒とはちょっと違った感じの仲の良さがありそう!

 勝手にメフィちゃんとたまに呼んじゃってますが、第一使徒大好きですわたしが書くとなんか理屈っぽくなってしまうので自分では難しいですが、精神年齢と外見年齢がイコールなメフィちゃんも可愛い。同年代の男の子同士の他愛ないじゃれあいみたいな、そんな感じの真吾くんとメフィスト2世もいいなと思いますよそさまで補給させて頂いてます! 自分では思いつかないし、そのほかいろんな設定の悪魔くんをみるのが好き

 このサイトでは見ての通りの性格設定になっちゃってます。悪魔くん+メフィスト2世のコンビとか好きすぎでやばいです。そんなオーラがびしばし漂いまくってると思います。百目ちゃんは悪魔くんの弟みたい。悪魔くんが落ち込んでる時は、年齢相応にちょっとお兄さんみたいな感じになるメフィスト2世とか! 長い時を生きる悪魔ならではの、ちょっと大人な目線で真吾くんをフォローしてあげるメフィスト2世とかラヴです。でも上記のような真吾くんと対等な感じのメフィちゃんも可愛い! つまりわたしはこのコンビ好きすぎってことですね!

 今日はにゃんにゃんにゃんの日だった!「猫の日制定委員会」とやらが決めたらしい……! そんなすばらしい委員会があったとは具体的になにをすればいい日なんだろういつもよりいいご飯をあげるとか? なぞです22時22分22秒には猫のために猫のことを考えます。猫の猫による猫のためのなんとかってどっかで聞いたことあるなにかをもう過ぎちゃったけど……そのへんは愛でカヴァーです


以下お返事です。
>22話読んでくれた方へ
もう、すっごく温かい言葉をほんとにありがとうございます! 十二使徒と別れてから考え方や感じ方も変わってきて、ちょっと成長して大人っぽく(そして男の子っぽく)なってきた悪魔くんの妄想が止まらず、もう大好きなんです! 悪魔くんラブな勢いに任せて恥ずかしい妄想を大公開しちゃってああもう後戻りできないよ自分! と時々ベッドで悶えてますが、同じ悪魔くん大好きな人にそんな風に読んで貰えたなんて本当にもう大感激です! 友情とか新しい冒険とか内面的な成長とか、そんな悪魔くんが書きたかったのでうれしいです、勇気を出して妄想を放出してよかったです! 悪魔くんも勇気を出すんだ! って言ってることだし(ちょっと違う)レラジェ、ほんとまさに食えない悪魔です(笑)勝手に作ってしまったキャラですが、そう言って貰えて安心しました! 館の悪魔もすっかり忘れさられかけた頃にようやく出せました、覚えてくれていたみたいでうれしいです。 悪魔くんとメフィスト2世のコンビ、わたしも大好きです! どんな時でもさりげなく悪魔くんのことをフォローしたり、状況によっては少しそっとしておいてあげたりするメフィスト2世っていいなあと妄想しちゃってます。悪魔くんよりは年上だろうし、時々年齢相応の配慮をしてあげるメフィスト2世とか! ラーメンだー! と騒いでる時とのギャップとかも大好きです。ではでは、本当に優しいコメントありがとうございました、よかったらまた遊びに来てくれるとうれしいです!

 今日も寒すぎる。ただいまです
 恥ずかしいのついでに言ってしまうと実はレラジェが結構好き。自分で書いといてあれですがなんか愛着が湧いてしまった……! 必要以上にオリジナルのキャラは出さないつもりなのは変わらないですが、なんかつい……。逆五芒星の男はちゃんとキャラが作れてないし直接的な出番はないので今のところそうでもないです。
 男の子っぽい真吾くんとかも好き。かわゆい怒っても無茶はしなそうだけど普段怒らない真吾くんが爆発したら怖そう。淡々と目の前の障壁を取り払って真吾くんにとっての正義をいつもよりちょっとだけ無茶をして実行しそう。という妄想!

 そういえば今日は墓場鬼太郎。前回の展開が大ショックだったのでもう……! おもしろいんですが水木さんがあああ!

 ヴァルプルギスの夜更新しました!
 すっかり忘却の彼方だった館の悪魔再び。やっと伏線が回収できそうでもこれから更にとんでも展開になってしまう……。妄想激し過ぎです。いつもながら恥ずかしい!

 いつも穏やかを絵にかいたような真吾くんですが、ここぞという時にかっこよくきめるとか萌ゆる真吾くんは本当に純粋に怒ったらちょっと怖そうな気もしますね……!

 探したら没にした話の続きの続きもあった!
 没にした理由はなんだったんだっけ……真吾くんいろいろと悩みまくってるのに自分からがんがん捜査して攻めていくのは不自然かもしれない、と思ったからだった、確か悩みモードに書き直したけど上手くいかなかったので結局12話以降は最初から考え直しました。あと、これを書いていた時点では逆五芒星の男の性格がはっきりしてなかったからでした。結局あんなキャラに落ち着いた!
 実質14~5話? になってたかもしれない没話の続きの続き。
 例によって推敲もしてないし隙間だらけですが興味のあるかたはさらっと読み流してやってください! 


 ユルグ、妖虎、鳥乙女を帰し、何かいいたそうなメフィスト2世から目を逸らし、真吾は黙々と宿題を済ませる。夕飯を無理やり口に詰め込み、たっぷり三十分は湯船に浸かった。メフィスト2世と百目が一度に入ろうとしたせいで湯はほとんどなくなっていた。後でエツ子に文句をいわれるな。何の気なしに顔を上げるとガラス越しにぼんやり丸い月が見えた。

 
 目を閉じたらすぐに眠りに落ちてしまうだろうと分かっていたから、真吾はくっつきそうになる両の目に力をこめた。そして考えた。そうせずにはいられなかった。
 悔しいけどあの逆五芒星の男、抜け目がなかった。予想はしていたがあの進学塾とは何の関わりもなく、ただ魔術による恐怖で支配していただけだったのだ。隠れていた講師たちを見つけて情報を集めようとしたものの、彼らは悪魔たちを従えた真吾に心底怯えきっていた。
 十二使徒は善なる悪魔なんだ。今まで何度も君たち人間を救ったんだよ。誠心誠意語りかけたつもりだったけれど、結局最後にものをいったのは力だった。妖虎の大きく裂けた口から覗く鋭い牙やユルグの身体にまとわりつく魔の炎に、講師たちは洗いざらい話してくれた。といっても、ただ突然現れた男に魔術で支配されていたということ以外、これといって役立つ情報はなかったが。百目を召喚し、彼らの記憶は消したけれど……。
 
 今まで僕がしてきたことは一体何だったんだろう。誰もが幸せに暮らせる理想郷を目指していたはずなのに、なのになぜ中途半端な状態で僕と十二使徒は別れなければならなかったのか。世界を支配しようとしていた東嶽大帝を倒し、真吾の前に立ち塞がっていた大きな障害は消えたはずだ。これからという時に、僕は十二使徒と別れ、ソロモンの笛を手放した。なぜ、僕はただの子供に戻ったんだ? 
「ファウスト博士だ」
 そうだ、ファウスト博士がそういったからだ。それぞれの故郷に戻り、各々使命を果たせと。
「でも、なぜそうする必要があったんだろう?」
 今の真吾にはその答えがよく分かっていた。考えがまとまりかけたところで、真吾は眠りに落ちた。
 
 
 吹きすさぶ冷気に目を覚ますと、荒涼とした地が広がっていた。
身にまとっているのはパジャマのみ、裸足だった。
「メフィスト2世! 百目!」
 叫んでみたものの、真吾は一人ぼっちだった。ただただ無機質な不毛の地がどこまでも続く中、真吾はおぼつかない足取りで歩き始めた。
「こんにちは、埋れ木真吾くん。いや、悪魔くんと呼んだほうがいいか」
 どこからともなく聞こえてきた声に、真吾は辺りを見回した。
「誰だ」
 問いかけては見たものの、分かっていた。あの逆五芒星の男だ。なぜ僕のことを、と尋ねかけたが、止めた。闇の世界に片足を突っ込んでいれば、すぐに分かる。
「どうやら君は、私の敵のようだな。ここは君の夢の中だ。昼間はゆっくり話す時間がなかったものでね、こうしてお邪魔したわけさ」
「違うよ。僕はあなたと戦いたくないんだ。ねえ、こんなことをしてもあなたが辛くなるだけだよ。今からでも遅くないから、子供たちから奪った魂を返してほしいんだ」
 男からは何の反応もなかった。これは夢だ。ただの夢のはずなのに、心も身体も凍えてしまいそうだった。
「ねえ、聞いてるの?」
 聞いているとも。抑揚のない低い声が四方八方から聞こえてきた。
「本来なら私はメシアの意識に入り込めるはずはなかった。なのにこうしていられるのは、君の心に迷いがあったからだよ、埋れ木真吾くん。逆に私が提案しようか。君は普通の少年に戻ったほうがいい。今からでも遅くはない、この世界は君の手には負えないよ。可哀想な坊や、私が君を助けてあげたいくらいだ。メシアとしての重責に押し潰されそうになっているんじゃないのか? 坊や、この世はもう少し混沌としていたほうが面白いんだよ。気に入らない世界なら、変えてしまえばいい。真吾くん、君のしていることもそれと同じだよ。君はこの世界が自分の理想と合わないから変えようとしているんだろう。君に私を止める資格と覚悟があるのか? 可哀想だけど邪魔をするなら、君に宣戦布告せざるを得ない。だから気をつけるといい、日常生活には危険がたくさん潜んでいるからね、いつどこで何が起こるか分からない」
 否定することも反論することもできず、真吾は黙って男の言葉を聞いていた。
 鋭利な刃物のような突風が真吾を襲った。とっさに両腕で頭を抱える。真吾の薄い皮膚が切り裂かれ、幾筋もの痛々しい傷が残った。足元の地面が割れ、瞬く間に崩れて行く。
 僕は十二使徒と共に巨大な悪を倒した、だけど、めでたしめでたし、みんな幸せに暮らしましたのおとぎ話のようには行かないのだ。
そう思ったところで目が覚めた。


 微妙にちょっとずつ違う没話でした。
よく考えたらこのネタあとで使えばよかったかも……。でもまあいっかあ情報屋の伏線はなかったことにしよう……あれはただのおしゃべりだ!
 実質13話? になっていたかもしれない没にした12話の続き
 推敲もなにもしてないのでめちゃくちゃ読みにくいです。興味のある方は読み流してください……。
 
正体を明かすか調子を合せるか迷う真吾
いっそ契約するふり?
 
 真吾の沈黙を男は別の意味に捉えたのか、
「ああ、代償ならきちんと払う。そうだな、手始めにこの教室にいる子供たちの魂、でどうかな? 不足ならもっと考えてもいい」
「そんなことは止めろといったら?」
 男は不思議そうな顔をした。
「別に契約してくれなくとも構わんが、邪魔をするなら容赦はしないぞ」
 なぜ僕は迷っているんだ。かつて東嶽大帝と死闘を繰り広げていた頃の僕なら、ここまでためらったりしなかった。この人は後悔なんてしていないし、邪魔となれば迷わず僕を殺すだろう。でも僕には人殺しなんてできない。
 
「そうだ。そんなことはさせない。絶対にあなたを止めてみせる」
 そして今のこの僕のやり方は、愚かさの極みなんだろうな。
僕は一体どうしたんだ?
 男の顔に張り付いている笑みが濃くなり、緑の悪魔から発せられる魔力がぐんと濃くなったのを真吾は感じる。
「僕はあなたと戦うつもりはなかった。今からでも遅くないから、考え直してほしいんだ」
「悪魔の癖に変わってるな、ここは君の縄張りなのか? 残念だよ」
 真吾は両手を静かに上げた。
「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。我は求め訴えたり」
 男が怪訝そうな顔をして緑の悪魔を見た。レラジェは軽く肩をすくめた。
「出でよ、第一使徒メフィスト2世、第二使徒ユルグ、第七使徒妖虎、第十使徒鳥乙女」
 真吾は淡々と呪文を唱えた。いつもの歯切れのいい唱え方ではなく、重く沈んだ詠唱だった。そうだ、僕はこんなことしたくないんだ。人間相手に戦うなんて、今まで考えたこともなかった。違う、嘘をつくな。考えたくなかったんだ。
「あなたのやり方を真似させて貰ったよ」

疲れたようにいう真吾。
回想。あらかじめ男の逆五芒星と同じ手法で円陣を描いておく。
もしくはこのシーンは最初に
 
 場所が絞れているのなら、あらかじめ用意しておけばいい。そう、準備だけは万端だったのだ。
 渦巻く煙幕の中心から咆哮が聞こえた。既に変化していた妖虎が低い唸り声を上げているのだ。
 
「ああ、なるほど。シンゴ……君がそうだったのか。この子は悪魔じゃない、人間の坊やだ」
 緑の悪魔が告げ、男は興味深そうに真吾をしげしげと眺めた。
「どうりでおかしいと思ったよ。もっとも、ただの子供ではなさそうだが」
 メフィスト2世は真吾を庇うように杖を静かに持ち上げた。ユルグは手の平を合わせて攻撃の構えを取り、妖虎は鋭い爪を床に食い込ませ上体を低く倒す。優雅に翼を広げた鳥乙女は戦女神のようだ。戦いたくないといっておきながら、僕が選んだのは高い攻撃力を誇る使徒ばかりじゃないか。僕はどうしちゃったんだろう。めちゃくちゃじゃないか。昔の僕は、もっと合理的だったはずなのに。
 緑の悪魔を中心に闇が集まる。何もない空間に亀裂が生じ、幾何学的な模様を生み出した。転移の魔法陣だ。
「逃がすか! 魔力、稲妻電撃!」
 真吾が止める間もなく、メフィスト2世の攻撃が男に迫る。男は慌てた様子もなく右手で大きく円を描いた。メフィスト2世の放った電撃が男とレラジェの手前で弾け飛ぶ。一瞬散った火花に真吾の目は眩んだ。
「俺の稲妻を跳ね返しやがった……」
 たかが人間相手に、とショックを隠しきれない様子のメフィスト2世の脇をすり抜け、ユルグが狐火を放った。メフィスト2世が間に立って庇ってくれているというのに狐火の威力は凄まじく、真吾のむき出しの腕はひりついた。
 自分自身のショックの大きさに、真吾は驚いていた。自分に敵対する者が今回たまたま人間だった、ただそれだけのことのはずで、覚悟はできていたはずだった。
 
「悪魔くん」
 僕の第一、第二、第七、第十使徒が指示を待っている。僕が決断しなければならない。ろくに考えがまとまらないまま、真吾は過去の戦闘の記憶そのままに機械的に命令を下した。
「メフィスト2世、ユルグ、妖虎、鳥乙女……あいつらを追って、捕まえるんだ!」
 命じられるまま使徒たちは攻撃を繰り出す。真吾はそれをただ眺めていた。メフィスト2世が叩き付けた氷の魔力を、レラジェはたった今作り出したばかりの魔法陣に送り込み消滅させた。鳥乙女の作り出した旋風が男をひるませたが、吹き飛ばすにはいたらない。ユルグが生み出した灼熱の狐火を妖虎が受け止め、炎と共に吐き出すが、男の結界に受け流される。
 本当に僕は一体どうしちゃったんだろう。ソロモンの笛は今どこにあるんだろう。ファウスト博士はどうして連絡をくれないんだろう。人間界の異変に気づいてもよさそうなのに。本当に僕がメシアでいいんだろうか。
 男とレラジェが空間の裂け目に身を躍らせた。さきほど上の空で真吾が下した命令通りに、使徒たちは魔法陣へ潜り込もうとしていた。
 真吾は叫んだ。
「待て! もういい、追うな!」
 僕は何をいっているんだろう。
 突然の命令変更に戸惑いながらも、四人の使徒たちは真吾に従った。支離滅裂な指示を下したにも関わらず、使徒たちは文句をいうわけでもなくやけに優しい目で真吾を見ている。メフィスト2世が真吾の肩にそっと手を置いた。不思議に思っていると今度は鳥乙女が真吾の頬にすっと手を伸ばしてきた。
「みんな、どうしたの? 僕は大丈夫だよ。それより、僕……」
 どうしてだろう、上手く喋れない。

真吾の頬のラインに沿って、鳥乙女がすっと指先を滑らせる。静かに頬から離れた第十使徒の指先がきらきら輝いているのを見て、真吾は自分が泣いていることに気づいた。



 後半はほとんど同じですが前半は結構違う没話
 書き直したいまの流れのほうがいいかなって思ったので、最初考えた12話~は没にしました! いまごろこっそり公開してみる

 以前、12話以降をどういう展開にしようか迷ってて、結局これを没にして今のような流れにしましたいまごろなんとなく出してみる……!
 推敲してないしちゃんと書きこんでないので見づらいかと思いますが、興味のある方はさらっと流し読みしてやってください! こんな展開を最初考えてたんだなってことで!

ユートピア「12話 接触」 思いっきり没にした12話です。
 
 
 もう一週間になるというのに何の異常もない。準備だけは万端だというのに。ごく普通の進学塾のありふれた授業を受けながら、真吾は欠伸をかみ殺した。
 両親と妹は驚いていたが、説得は真吾の十八番だ。相手が悪魔でも人間でも基本は同じだった。あの逆五芒星が発動した日、真吾にとって運命の分かれ道だったあの日、情報屋の言葉通り抜き打ちの実力テストが行われた。その成績上位者たちに起き始めている異変は、あの逆五芒星と何か関係があるに違いない。
 あとで冒頭かえる
・この辺に逆五芒星の説明を入れる
睡眠時間が異常に長くなり、ついには目覚めないものまで出始めた。彼らの共通点は、実力テストの上位者であること、そして最近新しくできたばかりの進学塾に通っていたこと。その日真吾は例の髪切り魔の事件で欠席していたため入塾テストを受けるはめになったが、それは全く問題ではなかった。手がかりが何一つない今、迷いを抱きつつも真吾は潜入を試みるしかなかった。
(もしくは強制的に? 生徒を集める)
 
「さあみなさん。今日はスライドショーを見ながらお勉強しましょう」
 分厚いカーテンが引かれ照明が消えると、教室は人工的な闇に包まれた。魔の世界に片足どころか首までどっぷり浸かっているせいか、闇は真吾に心地よさをもたらしてくれた。陽の光の温かさもいいけど、闇の深さも僕は好きだな。
 台形、二等辺三角形、楕円、次々と図形が映し出された。真吾はそれをぼんやり眺める。それから十分余り経った頃だろうか、隣に座っていた生徒が真吾の肩にこつんともたれかかってきた。居眠りなんて、ここの塾生にしては珍しいな。起こしてあげようと肩に手をかけ、そして異変に気づいた。すっかり闇に慣れた目で辺りを見回すと、意識があるのは真吾だけで、いつの間にかスライドショーも止まっている。ドアが軋んだ音を立て、真吾はとっさに机に顔を伏せた。どうやら講師が教室を出たようだ、そして入れ替わるように誰かが来た。
 小声過ぎて聞き取れないけれど、話し声がする。一人じゃない、もう一人、誰かがいる。
その内の一人が机の間をゆっくりと歩いてくる。
 真吾は薄目を開けた。大柄な男だ。男は真吾の隣でぴたりと止まり、真吾の癖のある髪にそっと触れた。真吾の小さな心臓がびくりと跳ね上がり、手の平にじわりと汗が吹き出してくる。大人に頭を撫でられるなんて久しぶりだ。ああ、僕は何を考えてるんだろう、落ち着かなきゃ。
「知ってるんだよ、君のこと」
 真吾は小さく身体を震わせるが、目を開けたりはしなかった。そんなはずはなかった。人間で真吾のことを知る者はごくわずかのはずだ。あの逆五芒星の結界の中でも、術者の男との接触は最小限だったはずで、運悪く迷い込んだ子供、程度の認識しかないはずだ。なのにどうして。
 照明が戻り、甘い香りが漂ってきた。覚えのある香りだ。真吾はもどかしい思いで記憶をたぐり寄せる。思い出せない、でも僕はこれを知っている。甘く危険な香り、嗅いだのはつい最近だ。記憶の回路がぱっと繋がると同時に真吾は跳ね起きた。けたたましい音を立てて椅子が倒れる。目の前には、捜し求めていたあの逆五芒星の男、そして、館の悪魔の屋敷で出会ったあの緑の悪魔がいた。
「レラジェ……」
 緑の悪魔の耳まで裂けた唇が動く。
「あの饗宴以来だね、シンゴ」
 真吾は唾を飲み込もうとしたが、喉はからからに干上がっていた。緑の悪魔の脇をすっと通り抜け、あの逆五芒星の男が真吾の前に立った。真吾はじっとり汗ばんだ拳を握り締めた。
「君も悪魔だそうじゃないか。人間の子供に化けるのが随分上手いんだね」
 全く予想していなかった言葉に、真吾は絶句した。
 一体何をどう勘違いしたら僕が悪魔ということになるんだ? 戸惑ったが、すぐに一つの簡単な事実を思い出した。緑の悪魔レラジェだ。確か彼は断罪の間には来なかった、だからいまだに僕が高位の悪魔だと思っているんだ。この人はあの逆五芒星の力を使って悪魔を呼び出し、そして契約したのだろう。よりにもよって、この緑の悪魔レラジェと。なんて偶然、なんて皮肉だ。どうやら僕は本当に、混乱と戦いと革命の星のもとに生まれたらしい。
「隠さなくていいんだ。どうだ、一緒に楽しまないか。味方は多いほうがいい。私と契約を結ばないか?」
 真吾は目を見開いた。
 
「どうして、力がほしいんだ」
 長いような短いような時間が流れ、真吾はやっとの思いでそれだけ口にした。
「退屈だからだ。知能を持った生き物は人間であれ悪魔であれ、結局争うようにできているんだ、そう思わないか? 支配されるよりはするほうがいい、ただそれだけの話さ。力があればこの世界をもっと刺激に満ちた楽園に変えることができる」
 真吾は慎重に言葉を選んだ。
「この町に逆五芒星を描いたのはあなただよね」
「そうだ。あの時得た力のおかげで、しばらく退屈せずにすみそうだよ」
 どうする。どうすればいい。考えようによっては好機だ。捜し求めていた髪切り魔、逆五芒星でみんなの魂を削り取った男が目の前にいる。僕はこの人を救いたいんじゃなかったのか。忘れたのか。僕は傲慢にもそう宣言したはずだ、第一使徒メフィスト2世に。
「それで、埋れ木真吾くん。君は私の味方かな?」
 それとも、と男は一瞬間を置いてから、この場には不釣合いな笑みを浮かべて付け加えた。
「私の敵かな?」

 という話にしようかなって思ったんですが結局使わなかったのでした!

以下お返事です。温かいコメントほんとありがとうございます! 感涙です……!

>21話読んでくれた方へ
悪魔くんはものすっごく優しい子だから、どんな時でも自分より十二使徒を気遣うんじゃないかなって思いますときどきそれが弱点にもなるかもしれないけど、でもそんな真吾くんが大好きです! そんな真吾くんだから、十二使徒とも単なる契約関係じゃない絆があるんだろうなと思います。アニメの悪魔くんたちのどきどき感には遠く及ばないですが、わたしなりにめちゃくちゃ愛と妄想を込めまくってるので、そういってもらえて本当にうれしいです、ありがとうございます! 真吾くんにはカリスマ的な、種族とか性別を超えたかっこよさがありますよね! 温かいコメントありがとうございました、また読んでくれると嬉しいです


>つくばの桃色鳥さんへ
はじめまして! アニメ悪魔くんの続き、好き勝手に妄想しまくっちゃってますが、一緒にたのしんで頂けてほんとうれしいです十二使徒と離れ離れはものすごく寂しかったので、あのあと絶対に悪魔くんは十二使徒と再開してそしてまた冒険したに違いない! と妙な確信のもとマイ妄想を発信中しまくっちゃってます(笑)応援ほんとありがとうございます、よかったらまた来てくれると嬉しいです!


>あずみんご小豆さんへ
こちらこそ、ちょっとご無沙汰してます! ほんと最近めちゃくちゃ寒いですよね、体調大丈夫でしょうか? わたしは今のところ風邪も引くことなく乗り切ってます、お気づかいありがとうございますただ相変わらず悪魔くんな妄想の日々で脳内はやばいことになってます(笑)つける薬はなさそうです! ではではこちらこそまたよろしくです!

 ヴァルプルギスの夜の続き更新しましたいきなり大ピンチになってしまった。
 こう、びしばしと指揮官として走り回る真吾くんとか好きなんですよ! 真吾くんは何してても可愛いけどカリスマリーダーな感じもかっこいいですよね!
 妄想の海を泳いで渡る日々です
 ちなみに21話の時点で原稿用紙146枚分です。
 でも当分妄想は終わらなそうだ!

 テキストエディタ買ったのに結局使っているのはフリーソフト。縦書きOKだからすごい重宝してますサイトに載せると結局横書きになっちゃうけど気にしない!
 あっくまくんな妄想中。
 こんどは「数学的にありえない」アダム・ファウアー著が気になってきた。図書館にあるかな。ないかも。そしたら買っちゃうかな

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