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悪魔くん・その他いろいろと語る場所
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 書きかけたけど結局使わなかった楽園の町のプロット・削除修正したものなどです再開のめどが立ってないし、ひとまず区切りがついて終わったところなので載せてみますv

 40話、最初に考えた流れでは、楽園の町に着く→いきなり怪物たち出現→真吾たち一行が撃退する→町長たちに歓迎される~という感じでした。以下その流れです。推敲とかあまりしてない状態で没にしたので見づらいかと思いますが興味のあるかたは流し読みしてやってくださいv

 かつては町の名前が記されていたらしい標識は風雨にさらされ朽ちかけていて、いまはただその痕跡を残すのみだ。人の気配はある。窓やドアの隙間から投げかけられる強い警戒と好奇の視線が真吾たちを無遠慮に舐め回している。十歳くらいの少女が路地の暗がりからひょいと顔を覗かせたが、真吾と目が合うと慌てたように首をひっこめた。淡い金髪に灰色の目、草色のエプロンドレス姿で、寂れた町には不釣り合いなほど愛らしい少女だった。真吾は辺りを観察してみた。がたごとと軋みながら回る風車、ペンキも塗られていない古びた木造の民家、雑貨店と思しき建物の看板には文字はなく、歪んだ絵と記号があるだけだった。

 誰でもいいから早く僕を助けてくれないかな。戦いと苦痛と重責と哀しみから僕を救いだしてくれ。ソロモンの笛を奏でることすらできない僕が十二使徒を束ねるメシアだなんて笑っちゃうよ、僕はもう十分がんばったし苦しんだんだよ、だから普通の子供に戻してくれ。逆五芒星を作ったあの男の言葉は正しかった、そうだよ、この世界は僕の手には余る、もうメシアなんて無理だ、嫌なんだ、これが試練だと言うならそんなものもうまっぴらごめんだ……。
「悪魔くん!」
 メフィスト2世の鋭い警告の声に、真吾はのろのろと顔を上げた。上空から舞い降りてきた異形の怪物たちをちらりと確認したものの、真吾は再び俯いて地面を凝視する。
「悪魔くん、私たちはどうすればいいの? 逃げるの? 戦うの? 指示をちょうだい」
 急かす鳥乙女に、真吾は仕方なく異形のものに目を向けた。ぬらぬらと湿り気を帯びた焦げ茶色の皮膚は薄気味悪い音と共に波打ち、太い触手を大きく広げている。背中から生えている醜悪な羽は不揃いで、神に見放された生物という印象を受けた。
 神か。仮に神がいるとして、その神が一番疎ましく思っているものがあるとしたら、それは他でもない、この僕なんじゃないかな。いまからでも懺悔すれば間に合うかな? 僕は世界を変えるなんてだいそれたことはしない、できないよ、だから神がもしいるなら、僕を助けてよ……。
 弱々しい祈りを捧げはじめたとき、真吾の心の奥底に息づいていたメシアの部分が反論を開始した。ふざけるな、いままでなんのために自分を犠牲にし、十二使徒と共に戦ってきたと思ってるんだ、早く立ち上がって前を見ろと。一歩でもいいから前に足を踏み出せと。その反論は囁き声でしかなかったが、無視できるほど弱々しくはなかった。
 わかった、わかったよ。メシアとしてごく自然に生きていた過去の自分の声にもう一回だけ従ってみるよ。もう遥か遠い昔のことのように思えるけど。いまの僕はメシアじゃないかもしれないけど、でもメフィスト2世や鳥乙女、ユルグ……みんな僕の大切な友達だ。この気持ちだけは失っていない、いまの僕に誇れるものがあるとしたらそれだけで、それが唯一の救いだ。だからあと一回だけ、この戦いだけでもいいから乗り切る努力くらいはしてみるよ……。自分のなかには確かにメシアとしての力と魂が息づいているし、結局この宿命からは逃れられないんだろう。
「くそっ、ちくしょう……」
 思わず漏れ出た呟きに、三人の使徒は不審そうに真吾を見た。両の手の平を両膝の上に置いて軽く屈み、表情を取り繕ってから顔を上げる。ええと、僕はなにを……ああそうだ、目の前の怪物をどうするか考えて指示を出さなきゃならないんだ。うまく頭が回らないな、そういえば徹夜しちゃったしな……。人間たちが家屋に隠れているいまの状況でメシアが選ぶ選択肢と言えば決まってるよな。
「もちろん、戦う」

 以下戦闘シーンで、その後に楽園の町でのエピソードに入る予定だったのですが、変更しました結局、まず楽園の町に到着→町長登場→不思議な町のエピソード→怪物たちがやってくる→メシア覚醒、という流れにしました! 最初はゾフィーは金髪でエプロンドレスだったけどなんとなく変更。さびれた不気味な町の描写→のどかな町に変更。

 43話、最初は酒場で金髪の男と喧嘩する予定でしたが省略生意気で好戦的な真吾くん絶好調。↓こんな感じで。

「くだらないことはよすんだ。いますぐ酒代を払って家に帰れ」
 色めき立つ男たちに、真吾は冷淡に続ける。
「同じことを二度言わせるな。一度で理解しろよ、まぬけ」
「……挑発してどうすんだよ悪魔くん」
 メシアじゃないとわめく男に
「そうだな。メシアってなんだろうな。そんなものは存在するのかな」
 僕は怖い。正気を失うのがなにより怖い。いかれた天才のしでかすことと言えばろくでもないものと相場は決まってる。
 まるで映画のワンシーンでも見ているかのように、真吾はこの場の空気を感じていた。真吾にはわかる。自分は町の酔いどれたちの目にどれほど幼くちっぽけに見えているか。真吾は感じている。毒を含んだ言葉が次々とこぼれ落ちては小さな酒場を彩っていく。
 真吾はそれ以上の言葉は差し控えることにした。こんなやつらと議論はしたくない。

 召喚を試みて失敗する描写もあったけど省略しました。

 メフィスト2世が間違いなく立ち去ったのを確認してから、真吾は棒きれで魔法陣を描いた。
 僕はひとつ勇気を出してみよう。
 召喚を試みるが、失敗する描写。
 歪んだ空間のせいなのか、メシアとしての力が極端に弱まっているせいなのか、判断がつかなかった。
 どうするかな、メフィスト2世に泣きつこうか? 召喚ができない、ソロモンの笛も吹けないんだって。いまならこのおかしな町のせいにすることもできるけれど、疑いをもたれるわけにはいかない。やっぱりだめだ。

 というシーンを入れようとしたけど隙間がなくて省略です。メフィスト2世との喧嘩シーンも削ったり変更したりしました↓こんな喧嘩シーン。

 「いい加減にしろ。俺たち十二使徒は悪魔くんのためなら命を落としても構わない覚悟だが、悪魔くんのせいで死ぬのはごめんだぜ。いまの悪魔くんにはまともな判断なんかできっこない。はっきり言ってやろうか。俺はずっと悪魔くんを信じて従ってきたが、いまの悪魔くんは間違ってる。どんなに頭がよくたって、いまの悪魔くんにはなにもできやしない」
「そうだな。君の言う通りだ」

 
淡々と投げやりに喧嘩する真吾くん。44話、町長たちと集会所で話し合う→メフィスト2世と物理的な喧嘩をするシーンも変更。↓最初はこんなの。

 頼むよ、いまの僕に近づかないでくれ。だがメフィスト2世はやってきた。
「近づくな」
 張り詰めた真吾の声に、メフィスト2世は戸惑ったように立ち止った。
「どうしたんだよ、悪魔くん」
「いいから、向こうへ……みんなのところに行ってくれ。あとで僕も行くから」
「そんなこと言ったって、悪魔くんをほっとけない」
「だから言ったじゃないか、来るなって! ちくしょう、僕は……来いよ、叩きのめしてやる!」
 真吾とメフィスト2世の殴り合いの描写。 
 唇の端から血を滲ませ、拳をメフィスト2世に叩きつける。いつの間にか一方的にメフィスト2世を殴りつけていた。マウントポジションを取り、左右の拳をめちゃくちゃに叩きつけた。
 ぽたぽたとメフィスト2世の顔に水滴が落ちてくる。雨か、こんなに晴れているのに。だが違った。真吾は泣いていた。真吾は大きく拳を振りかざした体勢のまま、ぴたりと動きを止めた。
「どうしたんだよ、反撃しろよ、悪魔のくせに一方的にやられて悔しくないのか?」
 真吾は泣きながら怒鳴ると、力を込めて殴打する。
「その気になれば払いのけられるだろ? どうした、さっさとやり返してみろよ、メフィスト2世!」
 更に数発、頬、腹、胸を滅多打ちにする。肩で大きく息をしながら真吾はようやく拳を静止させた。
「なんだよ、ちくしょう……動かないやつを殴ったって、ぜんぜんおもしろくないよ、腑抜けめ、立てよ」
 真吾はよろよろと立ちあがった。指の関節が真っ赤に腫れ上がり、
 メフィスト2世の襟首を掴み、力任せに引っ張る。真吾に引っ張られるまま立ち上がるメフィスト2世。
「どうした、早くかかってこいよ」
言葉少なに慰められる。マントがなびく音。立ち上がる気配。振り向くと、メフィスト2世はすでに飛び立った後だった。

 こんな感じで盛大に殴る蹴るの喧嘩だったけどなんか流れ的におかしいので変更。メフィスト2世のほうもめちゃくちゃ反撃してきて二人で喧嘩しまくる、にしようかと思ったけどそれも変更↓こんな感じ。

 もうあとひと押しか。真吾はゆっくり一音一音発音して付け加えた。
「どうした、もう一度かかって来いよ。僕が怖いのか?」
 胃の辺りに走った熱いしびれと共に真吾は地面に吹っ飛ばされた。焼けつくような痛みを無視して、すぐさま左へ転がった。ほんの数秒前まで真吾がいた場所をメフィスト2世の蹴りが横切る。真吾は腹筋を使って勢いよく立ち上がった。

 というめっちゃくちゃな喧嘩シーンも燃えるなあって思ったんですが! 真吾くんとメフィスト2世の男の喧嘩って、めっちゃ燃え上がりますでもこの流れだとすっきりしないのでまたの機会があったらやることにします……! あれこれ組み合わせてみましたが最終的にいまの流れに落ち着いて終了しましたv

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