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悪魔くん・その他いろいろと語る場所
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 12月25日めりくまめりくり? 拍手してくれたかたありがとうございますv
 最近めちゃくちゃ寒いです。あっという間に今年も終わってしまうのでした。なんか歯が痛いような気がする……虫歯かも。でも年末年始は歯医者さんやってないような気がちょっと……
 悪魔くんDVD発売がいまから楽しみです。どうやら長い夢を見ているわけではなさそうですv
 なんかもうストレスとか! バタバタしてたとか! なんだかんだで最近なにもできてないですこのまま来年になっちゃいそうです。来年はお正月用になにかする余裕がないかも……! 今年の1月は余力があったのでお正月SSを作りました。しかし年末年始は余裕がなさそうなので来年は無理そう……。もうほぼ1年経ったので、今年のお正月に作って一部限定で流したSSを載せます。


※今年のお正月(ほぼ1年前)に書いたSSです。

 泥棒にでも入られたのかと心配になるような惨憺たる部屋の真ん中で、悪魔くんは説明してくれた。
「最初は普通に片付けてたんだよ。大みそかだし」
「ああ」
「でも母さんに言われて物置の片づけをしてたら、古いテレビとか炊飯器とか掃除機とかラジオとかいろいろでてきたんだ。あとはもうわかるだろ?」
「いや、わかんねえよ」
「みんな壊れてたんだ」
「……それで?」
「なんで動かないのか気になるだろ? 分解して、組み立て直して、仕組みは理解した。消耗部分だけ交換すれば直るけど、代替品になりそうなものがなくてね」
 悪魔くんのこの情熱をしかるべき方向に向かわせれば、あるいは誤った方向にそらせば、世界は劇的に変わるだろうとメフィスト2世はつくづく思う。いまの世に置いてメシアはいわば異端だ、理解されるまで半世紀はかかるだろうが、悪魔くんは別に賞賛がほしいわけじゃないから問題ない。メフィスト2世はそんな親友が誇らしくて、誰かに自慢したい気分だった。
「悪魔くんは、本当はなにがしたかったんだ? なんでそんなに無理すんだよ」
 赤と青と黄のコードがぐにゃっとはみ出ている機器をいじくり回していた真吾の手がぴたりと止まった。あまりに長い沈黙だったので、座ったまま寝入ってしまったのかと心配になってくる。肩を揺さぶってみようかどうかメフィスト2世が決めかねていると、真吾はようやく話しだした。
「夜中じっとしてると不安になってくるんだ。僕のやってることは正しいだろうかって。世界を変えようと息巻いてはいるけどさ。なにかに熱中してないと余計こわくなってくるからつい夜更かししちゃうんだよ」
 真吾の打ち明け話を聞いてメフィスト2世が最初に思ったのは、悪魔くんはこの後きっと後悔するだろうなということだった。誰にも見せるべきじゃないと悪魔くんが思っている本音を漏らした後は決まってそうなる。
「もっといい気晴らしがあるぜ」
 真吾は睡眠不足と疲労で赤くなった目を上げた。
「どっか行ったことない場所を探検するんだ、悪魔くんの好きなとこでいい」
 真吾は柔らかい笑みを顔中にぱあっと浮かべ、小さな部屋いっぱいに拡がるガラクタを見渡した。
「母さんに叱られるな」
「でも、行くだろ?」
「ああ」
 真吾の陰りのない笑顔に、素朴な感謝の言葉に、メフィスト2世はシルクハットをぴんと指で弾いて背に乗るよう合図することで答える。さあ来い人間の少年、未知の世界を見せてやるよ。

 この土地は一日ごとに季節が変化する。昨日冬だったかと思うと、今日はもう春なのだ。膝まで積もった分厚い雪が急速に解け始め、昇り始めた太陽が地上を照らし出す。隣を見ると、汗をだらだら流した真吾がコートを脱いで背にはおり、胸のあたりで両袖を結んでいる。コートの下はパジャマのままで、その姿で異界を放浪する少年はまるで童話の一場面のようだ。マントのようにはためく灰色のコートはけっこう様になってる。俺は親切な登場人物、賢くて優しい正義の味方の主人公を補佐する大親友ってわけか。ああ、悪くないな。剣ではなく笛を取り障壁を退ける悪魔くん、剣はなくとも十二使徒という盾はある、最後の壁を打ち破ったその後はいよいよ理想郷の土台を築くのだ。
「この初日の出、ちょっとしたもんだよな」
 感嘆の目でいつまでも日の出を眺めている真吾に声をかけてみるが、返事は一向に返ってこない。なにかに夢中になると決まってこうなる。いまこの瞬間の俺は面倒見のいい兄貴分ってところだが、こんな役回りも悪くない。
「なあ悪魔くん、そろそろ行かねえと夏になっちまうぜ」
 名残惜しそうに振り返りながら水たまりを飛び越える悪魔くんに手を差し出すと、意外なほど強い力で握り返してきた。そのうち幼い少年は青年に変わり、自分を追い越して未来へ行ってしまうんだろうか、そう思うとメフィスト2世は少し寂しかったが、共有できるものも山ほどある。他愛もない喧嘩を吹っ掛けたり吹っ掛けられたりして取っ組みあっているうちにそのうちどうでもよくなってきて一緒にラーメン食ったり。孤独な探求をしている悪魔くんを机から引っぺがしてちょっとした冒険旅行に出かけるとかな。可能性としちゃ無限だ、過ごした時間がどんなに短くてもなんていうかそこには永遠がある、俺ってポジティブ、悪魔くんのおかげだな。

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